イッシーのらんちゅう小説 番外編

番外編1(淡き思い出)

夕日の綺麗な晩秋の校舎で美少年は一人たたずんでいた。
一期校の願書は東京水産大学で決まっていた。この一本で行く腹づもりで
いたのに先生はどうしても二期校の願書を出せと言って美少年を困らせて
いた。
二期校を決めていないのはどうやら美少年だけらしい。
さっきまで美少年の二期校願書をめぐって同級生からいろんな意見が飛び
交っていた。
I君はやっぱり教師が向いているよね・・・とか。
そんな同級生達ももうみんな下校してしまった。
そんな中、一人の同級生が教室に入って来た。親友のOOコだった。何で
も話せる親友であり淡い気持ちを持っていたOOコ。そしてそのOOコが言
った。「I君は動物が好きでしょう!獣医って仕事を知ってる?私はI君は獣
医さんに向いていると思うけどなあ。二期校なら帯広畜産大学があるから
適当に書いておけば?」そのアドバイスを渡りに船とばかりに受け入れて
美少年はすぐさま先生に書類を出した。その翌日何故か美少年は担任の
先生に呼び出された。そして聞かれた。
「I!お前!獣医になる気があるのか?」「全くありません。」美少年は即座
に答えた。
「でも二期校に獣医の大学名が書いてあるじゃないか!一期校も獣医大学
にしろ!」
美少年は全く先生の意見に耳をかさなかった。
数日後、とうとう母とともに呼び出された。先生は必死で獣医の将来性に
ついて熱弁をふるった。でも頑固な親子は首を立てに振らなかった。
担任は頑固な親子についに最後の手段を使った。
「I!よく聞け!水産大学の演習はきつく、学生を遠洋に連れていって船か
ら突き落とすんだぞ!お前は全く泳げないだろ!それに四年後には東京に
大地震がやってくるそうだ。」
その言葉に美少年はびびった。なんせ当時阪神と巨人の優勝争いの最終
戦の前日に「明日の巨人阪神は巨人が9−0で勝つ。それにピッチャーの
堀内がホームランを打つ!」と予言し、全くその通りになった先生の話しな
ので信用するしか無かった。親とも相談して一期校を獣医大学。二期校を
水産大学に変更した。皮肉な事に関東では四年間で地震がおこらず、平
成7年に地元で大地震が起こった。先生の嘘つき!


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